以前からやってみたいと思っていたことに、自宅の消費電力のモニタリングがあります。オール電化仕様なこともあって、トータルの電気使用量は大きいため、見える化することで、節約などの効果は大きいことが期待できます。

オール電化ゆえに自宅の電気配線が単純ではありません。住んでいる場所が北海道ですので、冬場の暖房のためパネルヒータや床下蓄熱暖房を使っています。これらは契約が別だったり、負荷が大きいので個別にブレーカがあり、そのため大きな配電盤が設置されています。これらをすべてモニターするためには、最低でも4チャネルが必要です。
計測のダイナミックレンジとして、200V 30A程度の暖房負荷から、ワット以下の待機電力まで見えるようにしたいところです。また、こだわりのポイントとして、昨今のインバータやスイッチング電源など低力率の負荷も多いため、力率も含めて計測できるようにしたいと思います。
ネット上には、先人たちがさまざまな製作例を公開してくれています。また、省エネナビなどの市販品も存在しています。しかしながら、満足する仕様のものはありませんでした。それらの参考にしつつ、設計製作してみることにしました。
最近のマイコンは安価なものでも、複数チャネルのA/Dコンバータが付いており、そのデータを処理するのに十分な能力を持っています。ここしばらくはAVRマイコンをメインに使っているので、これを使うことにします。最近の流行ではArduinoを使うのが早道なのかもしれませんが、小さく作りたいということもあって、今回は生AVRを使います。
必要な要件として無線化があります。配電盤は車庫にあるのですが、ここにすべての機材を置いておくことはできません。そこで、計測用のマイコンを含めたセンサー部分を小さく製作し、この部分だけを配電盤付近に設置します。そして、室内にあるホストからセンサーに無線でアクセスしてデータを回収するようにします。ただし、センサー部分単独でも動作するようにして、ホストが止まったとしても、積算値の計測は止まらないようにします。何か一つでもダメになると、すべてが動かなくなるのは安定動作の上で問題ですので、最低限センサーだけでも動作し続けるようにするということです。
もう一つやってみたいこととして、FusionPCBで基板を作るということがあります。これまで基板を作る場合には、自前でエッチング等をやっていました。最近はホビーでも海外への発注が安価でとても利用しやすくなっているので、これを利用しない手はありません。なかなか最初の一歩が踏み出せませんでしたが、これを機会にやってみることにしました。
目標仕様
- マルチチャネル計測(4 channel)
- 100V/200V対応
- 積算計測
- リモート設置可能な無線対応
- 力率計測が可能なこと(できれば波形も)
- インターネットアップロード
- 低コスト
続く