2012/02/04

AVRで作るマルチチャネル無線電力メーター(3)製作

続いて製作(ハードウェア)編です。

Eagleで回路図を書き、パターンを製作しました。発注用に基板設計するのは初めてです。FusionPCBを使う予定なのでDRCファイルなどはダウンロードしておきます。一番安価な50x50mmに納まるよう、試行錯誤しました。

10枚で$9.9ととても安価です。基板厚は1mmとしました。CTなども同じSeeedStudioのオンラインショップで同時に注文したので、送料無料となりました。今回の発注スケジュールです。

  • 2011/11/9 注文
  • 2011/11/9 Processing
  • 2011/11/14 Shipped
  • 2011/11/15 Tracable (HongKong)
  • 2011/11/17 ForeignExchange
  • 2011/11/21不在通知
  • 2011/11/23受領

注文から2週間弱で受け取ることができました。

できあがりは、十分綺麗だと思います。配置やシルクが正直イケていないのは不慣れなせいだということにしておきます。

残念ながら、いくつかパターンに致命的な間違いがあることが部品実装の際に判明してしまいましたのでデータは公開できません。








まずは1チャネル分の部品を実装して、コードを書きます。おおよそ完成したら、残りのチャネルの部品を実装して、引き続き実装とテストを続けます。
基板が完成したら、ケースに組み込みます。電源は携帯電話のACアダプタを分解利用しています。100Vの配線は端子台を使います。適切なサイズのケースを選んだつもり(タカチのSS-125)が、ぎりぎりでした。ケース入れのことをあまり考えずにレイアウトしたのでムリムリになってますが、なんとか納めました。




続く

2012/02/03

AVRで作るマルチチャネル無線電力メーター(2)設計

設計概要について書いておきます。

電力線からアイソレーションを確保するために、電圧電流共にトランスを通して入力します。電流センサはカレントトランス(CT)で、VGA(Variable Gain Amplifier)を通してMCUのADCに入力します。これが4チャネルあります。CTは1V/30A感度の電圧出力タイプ(抵抗が内部に組み込まれているタイプ)ものを使用しています。VGAを使うことにより、小信号時にもそれなりの計測ができるようになります。1W以下の変化が見えることが目標です。

電圧は、コンセントからの100Vを小型電源トランスで10V以下に降圧、さらに抵抗分圧で適切な振幅まで落とします。自宅内は単相3線という方式で配線されているのですが、位相を検知する意味では十分だと思い、片相のみをセンスするようにしています。電圧のアンバランスがある場合は誤差となります。

これらの信号は正負の両信号ですので、ADCの入力には適当なバイアスを与えています。またこのバイアスがゼロの基準になりますので、これもADCに入力して計測に使います。

アイソレートされているとはいえ、電力線の付近に設置して使うものですので、いちおう入力保護用にダイオードを入れてあります。

MCUには使い慣れたATmega328Pを用います。ADCが8チャネルもあるので今回の目的には十分です。開発やデバッグに便利なようにブートローダを組み込むためのUSBインターフェースを設けていますが、最終的なファームウェアにはUSBは組み込みませんでした。

外部インターフェースはSPPプロファイルに対応したBluetoothモジュールを用いますが、これについての詳細は略します。

回路図です(投稿に際して体裁を修正しています。またいくつか改良したい点があるのですがこのままにしておきます)。


続く

2012/02/02

AVRで作るマルチチャネル無線電力メーター(1)仕様


以前からやってみたいと思っていたことに、自宅の消費電力のモニタリングがあります。オール電化仕様なこともあって、トータルの電気使用量は大きいため、見える化することで、節約などの効果は大きいことが期待できます。

オール電化ゆえに自宅の電気配線が単純ではありません。住んでいる場所が北海道ですので、冬場の暖房のためパネルヒータや床下蓄熱暖房を使っています。これらは契約が別だったり、負荷が大きいので個別にブレーカがあり、そのため大きな配電盤が設置されています。これらをすべてモニターするためには、最低でも4チャネルが必要です。


計測のダイナミックレンジとして、200V 30A程度の暖房負荷から、ワット以下の待機電力まで見えるようにしたいところです。また、こだわりのポイントとして、昨今のインバータやスイッチング電源など低力率の負荷も多いため、力率も含めて計測できるようにしたいと思います。


ネット上には、先人たちがさまざまな製作例を公開してくれています。また、省エネナビなどの市販品も存在しています。しかしながら、満足する仕様のものはありませんでした。それらの参考にしつつ、設計製作してみることにしました。


最近のマイコンは安価なものでも、複数チャネルのA/Dコンバータが付いており、そのデータを処理するのに十分な能力を持っています。ここしばらくはAVRマイコンをメインに使っているので、これを使うことにします。最近の流行ではArduinoを使うのが早道なのかもしれませんが、小さく作りたいということもあって、今回は生AVRを使います。

必要な要件として無線化があります。配電盤は車庫にあるのですが、ここにすべての機材を置いておくことはできません。そこで、計測用のマイコンを含めたセンサー部分を小さく製作し、この部分だけを配電盤付近に設置します。そして、室内にあるホストからセンサーに無線でアクセスしてデータを回収するようにします。ただし、センサー部分単独でも動作するようにして、ホストが止まったとしても、積算値の計測は止まらないようにします。何か一つでもダメになると、すべてが動かなくなるのは安定動作の上で問題ですので、最低限センサーだけでも動作し続けるようにするということです。

もう一つやってみたいこととして、FusionPCBで基板を作るということがあります。これまで基板を作る場合には、自前でエッチング等をやっていました。最近はホビーでも海外への発注が安価でとても利用しやすくなっているので、これを利用しない手はありません。なかなか最初の一歩が踏み出せませんでしたが、これを機会にやってみることにしました。

目標仕様

  • マルチチャネル計測(4 channel)
  • 100V/200V対応
  • 積算計測
  • リモート設置可能な無線対応
  • 力率計測が可能なこと(できれば波形も)
  • インターネットアップロード
  • 低コスト
続く

2012/02/01

はじめに

なにはともあれ公開してみようと思うようになったので、これまでいろいろ試してみたことや、現在やっていることを書いてみます。 主なトピックは工作系の予定ですが、その他のこともいろいろやってます。
  • 電力メーター
  • レーザプロジェクタ
  • 発酵系
  • 園芸系
  • 雪板/冬山
  • 単車